采薪憂記(あとがき版)

過去病気記録アーカイブとその後記

あれは月曜日の晩のことでございました。
仕事から家に帰ると、夫がオージービーフのステーキ(安売り)を焼いてくれました。ややかためです。もりもり食べて一息ついた後、口の中になにやらもごもごと違和感が。

「?」

指を突っ込んでみて、とれたのはなんと銀歯。小学生の時の虫歯です。

「◎★◆□▽☆♪§×〒?!?!」

銀歯の跡地には、米粒が縦に3つは入りそうなでかい闇、いや穴がぼっこり。きしゃー。ど、どうしましょうううう。痛くはない。痛くはないけれど、深く暗い穴の奥は怖くて調査する(舌をつっこむ)こともできません。

「歯医者行け」と夫。

もう8時過ぎてるんですけど。さすがに近所の医者もやってないんですけど。でもこのままだと明日ゴハンも食べられないんですけど。だってこのでかい穴に食べ物カスでも詰まってごらんなさい、想像するだに恐ろしい。

幸いなことに痛くはないので、生活は普通にできます。でも歯磨きは恐怖です。ハブラシあててみました。うん、痛くはない。口をゆすいでみました。ひゃーなんかちょっとやな感じ。ぶるぶるぶる。これはうかうか放ってはおけません。明日は午前中会議なので、すこぶるあっさりと会議をぶっちぎって歯医者に行くことにしようと決心。

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翌日の午前8時30分。
私はあらかじめ下調べしておいた職場周辺駅近くの歯医者の受付にはりついておりました。なにせ予約をするヒマもありませんでしたから、ともかく朝、泣きながらねじ込む覚悟でやってきてます。

8時50分ごろ、ようやく受付のおねいさんたち登場。

「ぎ、ぎんばがとれちゃって、ご、ごはんもたべられませんんん、な、なんとかしてくださいおねがいおねがい~」(繰り返す)

とても必死だったと思います。ええ。今年はいろいろ必死なことがありましたが、今回もかなり必死です。だってごはんがたべられないんですよ。死活問題です。乳ガンは食事制限ないですけど、そもそも歯がなきゃ食べられません。

「予約は通常2週間後なんですけどね」
「そこをなんとかなんとかおねがいおねがい」
「まあとにかくそこでお待ちください」

20分ほどおとなしく待っていたら、呼ばれました。あらー。ごねてみるものですな。午前中いっぱいを覚悟してたのに、意外と早かったです。あとはお決まりの治療でした。とれた歯の中をちょっと削って(ひゃ)きれいにして、埋めてもらいます。この歯はこれでおしまいだったのですが、ついでに2本ほど虫歯を見つけられてしまいました。やっぱりな。そんな予感はしてたんです。

そういうわけで、しばらく歯医者に通うことになりました。もうがっかりです。今年は徹底的に悪いところを治せとでもいう神様のありがたい啓示なのでしょうか。それともなんかの当たり年なんでしょうか。だったら優雅なバケーション中にとれてくれればよかったじゃないですか。私はいったい、どんな悪いことをしたんでしょうねえ。クモでもふみつぶしましたかねえ。お星さま、答えてください。